テーマ:高橋虫麻呂

9-1809葦屋の 菟原娘子(うなひをとめ)の

葦屋の 菟原娘子(うなひをとめ)の 八年子(やとせこ)の 片生(かたお)ひの時ゆ 小放(をばな)りに 髪たくまでに 並び居る 家にも見えず 虚木綿(うつゆふ)の 隠りて居れば 見てしかと いぶせむ時の 垣ほなす 人の問ふ時 茅渟壮士(ちぬをとこ) 菟原壮士(うなひをとこ)の 伏屋焚き すすし競ひ 相よばひ しける時は 焼太刀の 手かみ押…
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9-1780ことひ牛の 三宅(みやけ)の潟に さし向ふ 鹿島の崎に さ丹塗りの 小舟(をぶね)を設(

ことひ牛の 三宅(みやけ)の潟に さし向ふ 鹿島の崎に さ丹塗りの 小舟(をぶね)を設(ま)け 玉巻きの 小楫繁貫(をかぢしじぬ)き 夕潮の 満ちのとどみに 御船子(みふなこ)を 率(あども)ひたてて 呼びたてて 御船出でなば 浜も狭(せ)に 後れ並み居て こいまろび 恋ひかも居(を)らむ 足すりし 音のみや泣かむ 海上(うなかみ)の …
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9-1759鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に 率(あども)ひて 娘子壮士(

鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に 率(あども)ひて 娘子壮士(をとめをとこ)の 行き集ひ かがふかがひに 人妻に 我も交らむ 我が妻に 人も言問へ この山を うしはく神の 昔より 禁(いさ)めぬわざぞ 今日のみは めぐしもな見そ 事もとがむな  鷲住 筑波乃山之 裳羽服津乃 其津乃上尓 率而 未通女壮士之…
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9-1757草枕 旅の憂(うれ)へを 慰(なぐさ)もる こともありやと 筑波嶺(つくはね)に 登りて

草枕 旅の憂(うれ)へを 慰(なぐさ)もる こともありやと 筑波嶺(つくはね)に 登りて見れば 尾花散る 師付(しつく)の田居(たゐ)に 雁(かり)がねも 寒く来鳴きぬ 新治(にひばり)の 鳥羽(とば)の淡海(あふみ)も 秋風に 白波立ちぬ 筑波嶺の よけくを見れば 長き日(け)に 思ひ積み来し 憂へはやみぬ 草枕 客之憂乎 名草…
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9-1755鴬(うぐひす)の 卵(かひご)の中に 霍公鳥(ほととぎす) 独り生れて 己(な)が父に 

鴬(うぐひす)の 卵(かひご)の中に 霍公鳥(ほととぎす) 独り生れて 己(な)が父に 似ては鳴かず 己が母に 似ては鳴かず 卯の花の 咲きたる野辺(のへ)ゆ 飛び翔(かけ)り 来鳴き響(とよ)もし 橘の 花を居散(ゐち)らし ひねもすに 鳴けど聞きよし 賄(まひ)はせむ 遠くな行きそ 我が宿の 花橘に 住みわたれ鳥 鴬之 生卵乃…
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9-1753衣手 常陸の国の 二並ぶ 筑波の山を 見まく欲り 君来ませりと 暑けくに 汗かき嘆げ 木

衣手 常陸の国の 二並ぶ 筑波の山を 見まく欲り 君来ませりと 暑けくに 汗かき嘆げ 木の根取り うそぶき登り 峰の上を 君に見すれば 男神も 許したまひ 女神も ちはひたまひて 時となく 雲居雨降る 筑波嶺を さやに照らして いふかりし 国のまほらを つばらかに 示したまへば 嬉しみと 紐の緒解きて 家のごと 解けてぞ遊ぶ うち靡く …
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9-1751島山を い行き廻(めぐ)れる 川沿ひの 岡辺の道ゆ 昨日こそ 我が越え来(こ)しか 一夜

島山を い行き廻(めぐ)れる 川沿ひの 岡辺の道ゆ 昨日こそ 我が越え来(こ)しか 一夜(ひとよ)のみ 寝たりしからに 峰の上の 桜の花は 瀧の瀬ゆ 散らひて流る 君が見む その日までには 山おろしの 風な吹きそと うち越えて 名に負へる杜に 風祭(かざまつり)せな 嶋山乎 射徃廻流 河副乃 丘邊道従 昨日己曽 吾超来壮鹿 一夜耳…
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9-1749白雲の 龍田の山を 夕暮れに うち越え行けば 瀧の上の 桜の花は 咲きたるは 散り過ぎに

白雲の 龍田の山を 夕暮れに うち越え行けば 瀧の上の 桜の花は 咲きたるは 散り過ぎにけり ふふめるは 咲き継ぎぬべし こちごちの 花の盛りに 見さずとも 君がみ行きは 今にしあるべし 白雲乃 立田山乎 夕晩尓 打越去者 瀧上之 櫻花者 開有者 落過祁里 含有者 可開継 許知期智乃 花之盛尓 雖不見在 君之三行者 今西應有
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7-1747白雲の 龍田(たつた)の山の 瀧の上の 小椋(をぐら)の嶺に 咲きををる 桜の花は 山高

白雲の 龍田(たつた)の山の 瀧の上の 小椋(をぐら)の嶺に 咲きををる 桜の花は 山高み 風しやまねば 春雨の 継ぎてし降れば ほつ枝は 散り過ぎにけり 下枝(しづえ)に 残れる花は しましくは 散りな乱(まが)ひそ 草枕 旅行く君が 帰り来るまで 白雲之 龍田山之 瀧上之 小鞍嶺尓 開乎為流 櫻花者 山高 風之不息者 春雨…
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9-1742しな照(で)る 片足羽川(かたしはがは)の さ丹塗(にぬ)りの 

しな照(で)る 片足羽川(かたしはがは)の さ丹塗(にぬ)りの 大橋の上ゆ 紅(くれなゐ)の 赤裳裾引き 山藍(やまあゐ)もち 摺(す)れる衣着(きぬき)て ただ独り い渡らす子は 若草の 夫(つま)かあるらむ 橿(かし)の実の 独りか寝(ぬ)らむ 問はまくの 欲しき我妹が 家の知らなく 級照 片足羽河之 左丹塗 大橋之上従 紅 …
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7-1740息さへ絶えて 後つひに 命死にける 水江の 浦島の子が 家ところ見ゆ

春の日の 霞める時に 住吉(すみのえ)の 岸に出で居て 釣舟の とをらふ見れば いにしへの ことぞ思ほゆる 水江の 浦島の子が 鰹釣り 鯛釣りほこり 七日まで 家にも来ずて 海境(うなさか)を 過ぎて漕ぎ行くに 海神(わたつみ)の 神の娘子に たまさかに い漕ぎ向ひ 相とぶらひ 言成りしかば かき結び 常世(とこよ)に至り 海神の 神の…
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9-1738人皆の かく惑(まと)へれば たちしなひ 寄りてぞ妹は たはれてありける

しなが鳥 安房(あは)に継ぎたる 梓弓 周淮(すゑ)の珠名(たまな)は 胸別(むなわ)けの 広き我妹 腰細の すがる娘子の その顔(なり)の きらきらしきに 花のごと 笑みて立てれば 玉桙の 道行く人は おのが行く 道は行かずて 呼ばなくに 門(かど)に至りぬ さし並ぶ 隣の君は あらかじめ 己妻離れて 乞(こ)はなくに 鍵さへ奉る 人…
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